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2014-02-22
安宅和人氏の本 『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』 を読んだ。
たとえば、以下のようなことがよく言われますが(ここに挙げたものがこの本に出てくるわけではないです)...
これらの話のその根っこが 「イシュー度」x 「解の質」のマトリックスひとつで説明できてしまっているのがすごいと思った。
つまりは、「イシュー度」が十分に高くその中で「解の質」が高くできることを選択して取り組むべきだ、と。
そしてそのことを検討しないでいきなり作業をはじめてしまうのはいわゆる「犬の道」に陥りやすく、その結果十分高い価値を発揮できなくなる確率が高いと。
ただ自分の状況にこれを応用しようとしたときに、イシュー度の高さの判定はそれなりにできるけれど、それらの一定以上のイシュー度のあるアイテムのうちどれが「解の質」の高さを確保できる見込みがあるかの判定はとても難しいと感じた。
解の質は自分が使えるリソースをはじめとしたいろいろなパラメータに関係しているため、その見きわめはとても難しい。
本の中では「答えが出せる見込みがほとんどない問題には手を出さない」とか過去の天才(ファインマン、トネガワ)がそれらの判断力が優れていることがポイントといった話を出すだけで、「解の質」を判定するために使えるようなツールは示していなかったと思う。
つまり、それの見極めができなければ、「イシュー度」 x 「解の質」マトリックスによるとりくむべき課題選択手法を使ってもそこから正しい課題を選べないわけですが...という意味ではちょっとまあなんていうかあれな本です。
とはいえ、自分が置かれている状況でより高い価値を発揮しようとしたときに、さまざまなパラメータを検討するなかでものごとの枝葉末節に入り込んでしまった場合に、そもそも何をどうすればいいんだっけ?ってなったときに常に立ち返るべき一番基本のモノサシとして「イシュー度」 x 「解の質」マトリックスが使える、ということがわかった。
これはとてもすばらしいツールだと思いました。